こども誰でも通園制度をご存じでしょうか。
こども家庭庁が実施している制度で、親の就労状況にかかわらず対象の保育園に子どもを月10時間預けることができます。
2025年は多くの自治体で実施、2026年からはすべての自治体で実施予定です。
1時間あたり300円程度で預けられるため、私も「ありがたい!」と預けられる月齢になってすぐ申請しました、が。
すぐに考え直すことになりました。
その理由を説明します。
※2025年時点で私が住む自治体の情報になるため、以降の年度や他の地域では異なる場合があります。
枠が少ない
そもそも問題ですけれど。枠がなーーーい。
制度に参加している保育園すべてに電話しましたが、0歳児クラスはすべて埋まっているとのこと。
というのも、一度利用すると翌月以降も継続して預けられるシステムのため、利用中止する人が現れないと空くことがないんだとか。
つまり先着順。
私の娘は早生まれなんですが、それで無理なら出生数が多い4月の子なんてほとんど入れませんよね。
自宅保育の子か、申し込み開始時にたまたま預けられる月齢になっている子から先着順。
前者はまだしも後者は条件が同じ分、不公平感が否めません。
制度のために保育園の交流広場が閉まる
保育園の中には親子交流を目的として一室を開放しているなど、子育て支援センター的な感じで遊びに行けるところがあります。
ずっと家にいると子どもは飽きて機嫌が悪くなるし、大人は心身ともにきついです。
そういうときに交流広場に行けば子どもは広い場所で遊べるし、大人は大人同士で会話できて楽しいです。
しかし私の住んでいる自治体は、交流広場として開放している部屋でこども誰でも通園制度の預かりをするため、その日は(週1)交流広場がお休みになります。
本末転倒感があるのは気のせいでしょうか。
切手代や役所の仕事が無駄
こども誰でも通園制度の利用には事前申請が必要です。
申請が受理されると自宅に利用通知書が届きます。
これ、ちょっともったいないなーと。
空き状況のページへのリンクが下の方にあって分かりにくいし、分かってたとしても空きが出ることを期待して申請する人もいるでしょう。
空かないですけどね。。
保育士の負担が大きい
毎日違う子どもが来るということは、その子の性格や特性、成長度を把握するところから始めて対応しないといけません。
担当する保育士には臨機応変さと技能、体力が必要になります。
やってくる子は普段保育園に通っておらず、慣れていないため大泣きすることもあるでしょう。
一時保育の話ですが、以前初めて預けられた4歳くらいの男の子を見ました。
さらわれてデスゲームに巻き込まれたのかってくらいのギャン泣きでした。4歳ぐらいだと声も大きいし体力もありますね💦
保育士の女性はその子をあやすために歌いながら片手で抱っこし(16kgくらい)、もう片手でピアノを弾いていました。
16kg、米3袋以上を片手で。きっっつい。
笑顔を絶やさず対応してくれる先生方は本当に神です。
他にも、給食のアレルギーも毎回確認して気をつけなればならず大変そうです。
園児にも負担がある
園の一室に毎日違う子がいるのって、小さい子だと気になっちゃいますよね。
一緒に遊べるわけではありませんから。
楽しく遊んでいる園児たちにも集団生活でのストレスはあります。
ゴロゴロしていたら踏まれて危ないから座ってと言われるでしょうし、眠くなくても昼寝しないといけません。やりたくなくても園のスケジュールで行動しないといけません。
そこに知らない子が隣の部屋にいるという不安感やストレスが追加されるのは、いいこととは言いがたいのではないでしょうか。
いかがでしょうか。
同じ年齢でも生まれがひと月違うだけで利用可否が分かれるのは、税金の使い道としては公平性に欠けるかもしれないと個人的に思いました。
毎月先着受付にするとか、対象を限定して「自宅保育の子のみ」や「育休中の家庭のみ」にするなど案は浮かびますが、形にするのは骨が折れそうです。
保育士や園児への負担についての問題は、それ以上に解決が難しいのではないでしょうか。
しかし自宅保育の子どもにも集団生活の学びを、という考えは素敵なので、もっと運用・利用しやすい形で実現するといいなと思います。
